ここ数日、雨が続き一歩も外に出ていない。
無くなりかけのトイレットペーパーを使うたびに「あぁ、トイレットペーパー買いに行かなな。でも雨やしな…」を頭の中で繰り返している。雨の日は止むを得ない予定がない限り外出は避けたい。なぜなら雨の中外を歩くことは、晴れの日と比べ5倍は神経を使うよう強いられるからだ。濡れても問題ない服を選ぶ、レインシューズで靴擦れしないよう分厚めで長い靴下を選ぶ、傘が人にあたらないように歩く、車が通った時に濡れないよう道路沿いに歩きすぎないようにする、店に入る時は水が弾けないよう傘袋に傘をそ〜っといれなければいけない。あと10個は容易に上げられる。それくらい雨の日は自分と人様を守るために注意を払わなければならない。それができないのならば外に出てはいけない。いや、それは言い過ぎた。 そうはいいつつも、残り1/3ロールを切った今日は流石に買いに行かなければならない。なぜもっと早くに補充しておかなかったのかと自分の無計画さを呪った。意を決し身支度を整えレインシューズをはきいざ外へ!「さ、寒い….。」早く事を済ませたいがため外の気温も調べず慌ただしく出てきてしまった。調べると、22度だった。「そりゃ半袖にスカートは寒いわな。」と体を震わせながら歩く。歩くたびにスカートとレインシューズの間の素足に水が飛んでくる。休日で雨にも関わらず人が多く、それに加え傘もさしているので余計歩きにくい。この人並みを最初に述べたように細心の注意を払いながら華麗にかきわけ目的地の薬局へ足を速める。 薬局へ到着しいつものトイレットペーパーを手にし一直線にレジへ向かう。早く帰りたいからだ。レジで店員さんから支払い方法を尋ねられ「クイックペイで」と答えたのだが、自分の声量のなさに驚いた。支払いはスムーズに処理されたため、声は届いていたようだ。人と話さない日が月の大半のため、声帯筋や口周りの筋肉も落ちるんだな。そういえばこの間観たyoutubeにダウンタウンのまっちゃん(松本人志)が久々に出ていたけれど、滑舌があまり回っておらずこもったような声だったな。と思い出しながら店を出る。
外の世界と繋がっていないと、いろんな筋肉が弱っていくのだろうか。フィジカルだけでなく心の筋肉メンタルも弱るのだろうか。人と繋がりたいと思っていながら雨だからと外に出ることさえ億劫がっている。世界を遠ざけようとしている。そんな自分に気付く。帰りは行きと違う道を歩いてみよう、ペースもゆっくりにしてみようと思い歩く。道路の端に紫陽花が咲いていることに気づく。まだ薄くて淡い紫や青を帯びている。「綺麗だな」。そう思った。雨が花びらいっぱいに染み込んでいくみたいに、柔らかく、ほのかに、じんわりと見る景色が色づいていくような感覚がした。
生命を感じ、生きる気力をもらった気がした。


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